竜鳴き谷へようこそ「エルフィストの攻防」

2035-08-25

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オフセット A5 44P 200円

竜鳴き谷シリーズ、第三巻
ゼルダとセリカの前に立ちはだかるネコ耳軍人少女は、二人にミュンを引き渡すよう迫りますが、そこに仮面の白魔法使いが現れて……。

↓冒頭を読む↓
 多砲塔戦車「ブツダンガエシ」。軍服姿のネコ耳少女、ミケ連隊長たちの国が、その総力のすべてを結集して作り上げた最新鋭の動く砦。いかなる堅陣も騎士団をも蹴散らし、粉砕する無敵の鉄牛……。
 そんなブツダンガエシの主砲塔の上でミケ連隊長は獣人族の少女、ミュンと弓使いの二人、ゼルダとセリカを見下しながら高らかに笑っていた。
「さあ、どうするの? 渡すか渡さないか、回答は二つだけよっ!!」
「渡すも渡さないもへったくれもないっ! なんであたしがあんた達に捕まんなきゃいけないのよっ!!」
「そうだよ! なんでミュンちゃんにひどい事するの!?」
今にも噛み付きそうな勢いのミュンに続けて、ゼルダがミケ連隊長に問う。
「ひどい? はっ、寝言言っているのよ。これは立派な任務なのよっ!」
「でも! でも、ひどい事には変わらないもん!!」
 ミケ連隊長がゼルダの問いをすっぱりと切り捨てたのに、今度はセリカが前に出て強い調子で問いかける。
 もちろん、ミケ連隊長がますます地団駄踏み踏み、怒り出すのは言うまでもない。
「あーっ! もう、うっさいうっさいうっさい! うるさぁ~いっ!! ……へ? ふにゃあっ!」

 ズデッ! ぐしゃっ! メリッ!

「っぅぅぅぅぅ~……。と、とにかく、早くその娘を渡しなさい!」
 地団駄を踏み過ぎ、勢い余ったミケ連隊長が主砲塔から転げ落ちたらしく、砲塔の後から痛みに耐える弱々しい声と、ネコ兵士達の「衛生兵、衛生兵はどこニャーっ」という声が聞こえてくる。
「……痛そう、だね」
 ポツリと呟くゼルダにコクコクと無言で頷くセリカとミュン。
「それはそうと、どうするの? あのネコたちをどうにかしないと……」
「うん。あいつらをやっつけなきゃ、ミュンちゃんが……」
 ゼルダとセリカは、ミュンを庇うようにブツダンガエシと対峙し、どうしたらこの鉄の固まりを倒せるかを真剣に考えていた。

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